クマに襲われたら無傷じゃすまない『人を襲うクマ』羽根田治を読んで

人を襲うクマ

クマに出くわしたら無傷では済まない。

そんなことを考えさせてくれる本を読んでみました。

その本は『人を襲うクマ/羽根田治』です。

※先日に吉田昭さんの小説『羆嵐』を読んでから、クマのことが気になって仕方がありません笑

>>前回の記事【吉村昭】三毛別羆事件をモデルにした小説『羆嵐』

そこで、クマのことをもっと詳しくしりたいなと思ってこの本を手にとりました。

内容としては日本でおこったクマによる被害や被害者の方へのインタビュー、そして、クマのどういったことに注意するべきかなどが書かれています。

趣味などで山に入ることがある方は、一読して置くことをおすすめします。そして、クマにすごく詳しくなれます。

そして、「クマのプーさん」が幻想だということも理解いただけると思います。

読んでみた感想としては、イタイタしいというのが率直な感想です。

そして、クマは人に危害を加たりして恐ろしい動物かもしれないけど、その原因を作っているのが人間だということも理解できました。

この本を読んで欲しい方
  • クマによる被害やクマの習性を知りたい方
  • 登山に行く予定のある方

以上です。それ以外の方でも読み物としても面白い本なので十分に楽しめます。

こういった実話は下手な物語より怖いので、そういった読み方もできると思います。

クマに襲われたら無傷じゃすまない『人を襲うクマ』羽根田治を読んで

この本はクマが人間を襲った事例がいくつも紹介されています。日本ではクマによる有名な事件がいくつかあります。2つあげるとするなら次の2つになると思います。

  • 三毛別羆事件
  • 福岡大学ワンダーフォーゲル同好会事件

この本では福岡大ワンダーフォーゲル同好会の事件が大きく取り上げられていますので簡単に紹介したいと思います。

福岡大ワンダーフォーゲル同好会事件

この事件は1970年7月に北海道日高山脈での夏季合宿に参加した福岡大学ワンダーフォーゲル同好会のメンバーをクマが襲った事件です。

最近では一番大きい事件になります。

参加したのは以下のメンバーです。

  • リーダー太田陽介
  • サブリーダー辻博之
  • 平野哲哉
  • 坂口剛
  • 杉村仁志

以上の5名です。

メンバーが初めてヒグマを見つけた時から話は始まります。

夕食をとって全員がテントの中にいた午後4時半ごろのことだった。

テントから6、7メートル離れたところにヒグマがいるのを太田が発見した。

坂口の報告によると、クマは全長2メートルほどで、黄金色や白色が目立つ茶色の毛並みだった。

『人を襲うクマ』羽根田治

普通だったらこの時点で逃げればいいのにと思うかもしれません。しかし、クマに慣れていない人はクマの恐ろしさを知らないはずです。

この時点では逃げようと思う人は、それなりに知識がある人です。

このメンバーも同じで多分クマに遭遇したのも初めてだったのではないでしょうか?

その証拠に日記にはこんな証言があります。

最初のうちは、テントの下を開けながら、5人とも興味本位でクマを観察していた。

恐怖を感じた者はなく、平野はクマをカメラに収めながら「自慢話ができる」と言っているぐらいだった。

『人を襲うクマ』羽根田治

ここでは詳しく触れませんが、このようにクマを甘くみた結果このメンバーのうち3名が命を落としました。

最初にクマをみた時にすぐに下山しなかったことが死者を出してしまった原因のようですが、なぜとっとと下山しなかったのでしょうか?

それにはこんな理由もあったそうです。

クマが一日中、テントに居座るか、テントの回りをうろつくと思った。

それに下山するならば、全員、金銭、貴重品はキスリングの中にあったし、キスリング・テントを持ちかえろうとしたからであった。

『人を襲うクマ』羽根田治

クマに関する本を何冊も読んでいると、この行動が間違っていると言うことが瞬時にわかります。笑

それは「クマの習性」にも繋がってきます。

クマの習性9つ

この本で紹介されているクマの習性は9つあります。少し長いけど大事なことなので紹介します。

クマの習性9つ
  1. 行動の時間帯に一定の法則性がない
  2. 火煙や灯火に拒否反応を示さない
  3. 攻撃が人数の多少に左右されない
  4. 逃げる者を追いかける。加害中であっても逃げる者に矛先を転ずる
  5. 至近で大声をだして人間がいることを知らせても、逃げない場合がある
  6. 食い残し(遺留品)があるうちは、そこから遠ざからずに何度でもそこに現れる
  7. 食い残しを隠す
  8. 人を加害する場合、衣類と体毛を剥ぎ取る
  9. 食害がもっともひどいのは、顔面、下腹部、肛門周辺などである。

このなかでも重要なのが6番です。

先にいった通り、福岡大のメンバーがクマに荒らされたテントや貴重品、食料を持ちかえろうとしたことがこの事件の一番の問題だと思います。なぜなら、

ヒグマは執着心がとても強い動物だからです。

言うなれば、「ジャイアン」です。

「俺のものは俺のもの。お前のものも俺のもの。」

ヒグマは執着心が非常に強く、このようにひとたび取得したものは、問答無用でヒグマの所有部であり、これを奪い返す行為は、危険極まりない無謀な挑戦です。

『人を襲うクマ』羽根田治

このようにヒグマに襲われたら、すべて放棄するのが正解です。奪い返すと執拗に追いかけてくる習性があるそうです。

『羆嵐』と言う小説でも、餌食になった人の遺体を持って帰ると必ず取り返しにくる描写があります。

それはお腹いっぱいな満腹な状態でもそうみたいです。

例えば、ライオンなどは必要ない殺傷はしないと言われています。お腹がいっぱいならそれ以上は食べません。

こう言った習性を聞いて僕はクマという物体がどんどん嫌いになっていっています笑

※これは正直な感想ですが、「クマってしょうじきキモいです。」だって粘着質なうえに執着心も強いときたら相当キモくないですか?

こんな性格な人間がいたら絶対に友達になりたくありません。勝手な考えだけどもう一度言うとクマはキモいです。

クマ被害が増えたのは人間のせい?

近年、クマが人間を襲う被害が増えているそうです。それも、以前ならクマがいないようなところで。。

その理由にはやっぱり人間のせいということも挙げられると思います。

  • 環境破壊
  • 観光客の増加

など原因はいろいろあります。

実際にクマが安心して住めるような場所がどんどんなくなっているそうです。

その結果、十分に餌を確保できなかったりしたクマがどんどん山を降りて来て、いままでクマによる被害なんて聞いたことのなかった場所で人が襲われるケースが増えています。

そして、以前Youtubeで知床などで観光客が増えて問題になっているというようなニュースをやっていました。

観光客の出したゴミを漁ったりして、人間の食べ物の味を覚えてしまう。すると、そのクマは山に返してもまた餌を求めて戻ってきてしまうそうです。

それに川をはさんでクマと人が向かい合って写真を撮っていたのですが、本当ならそれもやめた方がいいと思います。

なぜなら、それをやってしまうとクマも人間を見慣れてしまうからです。

クマって意外と臆病で本来なら人間をみると驚いて逃げていくようです。しかし、人間に向かってきてしまうのは人間を見慣れてしまったせいかもしれません。

秩父で剥製を作っている方のインタビュー

そして、この本では埼玉の秩父で剥製を作っている方のインタビューが掲載されているのですが、なかなか考えされてしまう記事でした。

さんざんクマを貶してきましたが、クマだって生きるのに必死だということも忘れてはいけないし、山だって人間だけのものじゃないですよね。

そこには、必死に生きている野生動物がいるんです。

だからこそ、こっちだって舐めて山に入ってはいけない。山ガールとか流行ったけど、本当に山の危険を知っているのかと思います。

まとめ:『人を襲うクマ』を読んで

今回は『人を襲うクマ』という本を読んでみました。

内容としては日本でおこったクマによる被害や被害者の方へのインタビュー、そして、クマのどういったことに注意するべきかなどが書かれていて参考になります。

そして、インタビューなども載っていて、クマのことや自然のことなどにも考えさせられる内容です。

クマのことを知りたい方や登山などで山に入ることがある方は目を通しておくのもいいと思います。

いままでのクマに対する常識や対処法なども間違っていることがいっぱいあることに気づくはずです。

今回は以上です。ありがとうございました。

『羆嵐』吉村昭

【吉村昭】三毛別羆事件をモデルにした小説『羆嵐』

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